自転車はロケット

自転車と電車でどこにでもキャンプに行こう

風邪をひいた。

風邪をひいて熱を出して会社を一日休んでベッドでうなされて。

翌朝目が覚めたら、世界が少し良くなっている気がした。

会社のみんなも、なんだかいつもよりにこやかだ。

あと30回くらい風邪をひいたら、この世は平和で争いのない世界になるかもしれない。

でも、その前に僕の身体と有給日数に限界が来そうだ。

すこし残念。

特に意味はなく

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 20代以上の4人に一人がお歳暮を送る、というのが、先日あるテレビ番組で紹介されていた。それが多いか少ないかは別にして、現在の日本でその"お歳暮"なる習慣を物理的な意味で支えているのは、物流業者である。繁忙期といわれる年末の時期、大手物流業者はどこでも大抵、臨時のアルバイトを募集する。一年の感謝の気持ちを示す贈り物は、こういったアルバイト職員の手を経て、送り先へと届く。

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加藤シゲアキ ”ピンクとグレー” を読みました

 

 加藤シゲアキ ”ピンクとグレー” を読みました。

 著者はアイドルグループ ”NEWS” のメンバーである加藤シゲアキ

 芸能人の書いた小説、しかも比較的若い彼のものとあって、この作品の存在を知った時は正直たいしたことない作品なのだろうと思っていました。しかしながら店頭で冒頭の目次と文章に少し目を通したところ、なかなかに面白そうな作品だと僕のアンテナが反応を見せ、これは評価を変えなければならないのではないかと思い始めました。そんな経緯があってから、先日折よく古本屋でこの作品を見かけたため購入して、本日読了した次第です。

 物語の内容としては、主人公と小学生からの親友がともに芸能界入りし、スターへの階段をかけ登って行く親友とそうではない主人公の関係が徐々に変化していき……というもの。アイドルとして芸能界に飛び込んだ著者ならではのストーリーで、随所に散りばめられた業界的風景の描写にリアリティがあるのは、彼の経験が活かされているのでしょう。

 作品は主人公が過去を回想するチャプターの合間に現在の描写が挟まれるという形式ですが、中盤までは”現在の描写”の頻度は少なく、さらにそこには謎の多い表現も含まれます。しかし後半、この物語はどういったところに着地するのだろうと思い始めたころに、ある転換点を迎え、そこから一気に怒涛のラストへと駆けていきます。多少気になる文章の表現などはあるものの、物語の構成としては最後まで飽きずに楽しませるものであると感じました。巻末のインタビューで著者が語っているように、映画などのストーリーをよく研究しているのでしょう。そのうち彼はドラマや映画の脚本に携わるのではないかと予想したりしています。

 

法月綸太郎 ”頼子のために” と 東野圭吾 ”悪意”

法月綸太郎 ”頼子のために” と 東野圭吾 ”悪意” を読みました。

正確に言うと”頼子のために”を先ほど読み終えて、既に読んでいだ”悪意”のストーリーを思い出したのです。このことで、今回この二冊を並べて紹介しようと考えました。

なぜ”悪意”を引き合いに出したのかは、双方を読んだ方ならなんとなくお分かりかと思いますが、この二つの作品には大きな共通点があります。それは物語の冒頭から、事件が当事者の手記という形式で語られること。そしてこのことが、物語の重要な鍵(核心に触れるため、ここではその内容は記しません)を握ることになるのです。

”悪意”を初めて読んだときは、なんと華麗に組み立てられた作品だろうと思いました。しかし”頼子のために”で法月氏はそれに近いトリックを用い、さらにそこから一段飛躍した驚愕の展開を我々に見せてくれます。ちなみに作品が世に出たのは”頼子のために”が数年早く、しかも著者のあとがきによれば作品の原型はさらに前の学生時代に書いていたものだとか。

あくまで少しの共通点があるだけで、もちろん双方に沢山の魅力がある作品ですので、比較すること自体がナンセンスだとは思います。事実、僕の中で東野作品のナンバーワンは”悪意”です。

しかし!個人的には”頼子のために”をおすすめします。

”ハードロマンチッカー”を読みました

 

グスーヨン著 ”ハードロマンチッカー”を本日読み終えました。

著者は1961年生まれ、下関市出身の在日韓国人二世。この小説は彼の自叙伝的作品のようです。本屋に並ぶ中で目立つ装丁に惹かれて手に取り、まず思ったことは

「軽っ!(物理的に)」

本の厚さに対して重さが軽いんですね。紙一枚の厚さの問題なのでしょう。なのでページ数も厚さに対してそんなに多くありません。出版はハルキ文庫とのこと。

在日韓国人でありながら進学校に通う高校生である主人公。学校にも行かず街をうろつき、周りの仲間は喧嘩、薬物、セックスに明け暮れる。そんな環境で生きる主人公は一見ただの不良のように見えますが、年の割に色んな事を考えており、なかなかに芯の通った男であることがわかります。そんな彼がちょっとしたきっかけで小倉のライブハウスの雇われ店長になるのだが…というお話。

喧嘩、覚醒剤、シンナー、暴走族、ヤクザ、そして数々の差別用語…この作品には、恐らく多くの人が普段あまり関わりのない言葉がたくさん出てきます。テレビの放送コードに引っかかるものも一つや二つではないでしょう。

著者はあとがきにおいて、頻出する差別用語を「ゴミ」つまり「臭いもの」に例えています。臭いものには蓋をするのはとっても楽な解決方法です。しかしそれは、確かにそこに存在する「臭いもの」から目を背けていることにならないだろうか。差別に対する自分の向き合い方を考えさせられます。

養老孟司先生の”バカの壁”がベストセラーとなった時、養老先生が語っていたことに近いものがあるのを思い出しました。うろ覚えですが、現代社会では汚いものや臭いものなどを目にする機会が少ないということを、水洗トイレの普及や死体処理の例を挙げて説明していたように記憶しています。

放送コードに引っかかる言葉はテレビでは知ることができません。そうでなくとも視聴者の顔色を窺って、放送が自粛されるようなこともあります。しかし、本なら。

自分の知らない世界を、本で知る。

本を読む楽しみをまた一つ再確認できたようです。

ぼくのじてんしゃ:DOPPELGANGER 260-GR Parceiro

手始めに僕の愛車の紹介と、今までの”自転車との付き合い方"を。

僕の地元はド田舎だったので、子供はどこに遊びに行くのも自転車でした。しかもド田舎だけあって、市街地に出るには結構な距離を移動しなければならず、その道中には大きな峠もいくつかありました。普通ならこれで”自転車は疲れるもの”という刷り込みがなされるはずなのですが、僕の場合は違いました。疲れることに対して、自分の脚力で遠くまで来られるというマゾヒスティックな喜びが上回ったのです。

高校生の時、少ないバイト代でリサイクルショップの中古クロスバイクを購入しました。それまではお下がりの自転車ばかりで、初めて自分で購入した自転車に対する愛着はひとしおでした。夏になるとその自転車にテントとシュラフを積み、海岸線をどこまでも走りました。

そういった経験から、僕は自転車にスピードをあまり求めず、散歩するようにゆっくりと長距離を走るのが好きになったのです。

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そんな僕が今乗っているのが、DOPPELGANGER社の 260-GR Parceiro というモデル。

クラシカルなダイヤモンドフレームに、タイヤサイズは一般的な折りたた自転車に多い20インチ。とここまでならただのミニベロですが、大きな特徴はこのフレームが上から見て”く”の字に折りたためる所。

 それに加えて、他の同程度の価格帯の折りたたみ自転車とくらべて、12.0kgと比較的軽量。折り畳むだけで輪行バックに入ることもあって、輪行もらくらく。電車で遠くに繰り出し、遠くの街を散歩することも。

 

今は大阪市内に住んでいますが、そんなこんなでほぼ毎日この自転車に乗る生活をしています。